おかあさんスイッチの使いかた(ローコストTOEICにトライ中)

ワーキングマザー生活も早、9年目?母スイッチ・妻スイッチ・会社員スイッチ、そして自分スイッチの使い方を日々考えてます。

「降格は違法」の先にあるもの

最近のニュースでこういうのがありましたね。

妊娠理由の降格は「違法で無効」 最高裁が初判断 :日本経済新聞

でもこれ、全然手放しでは喜べない。

 今回訴訟を起こした方については、ニュースで知る限りでは不当な降格だったと思うし、それが認められそうでよかった。

そもそも日本の給料体系って、年功+それまでの成果で「あなたはこの位の給料をもらう力があります」と評価して等級をつける(ところが多い)。
つまり、これから出産を迎えたからといって「能力」が変わるわけではないので、等級を変えるのはおかしい*1
勤務時間が短くなるところだけ考慮して、産前の等級のままかけ算するべき。

と、ここまでは「ワーキングマザーに追い風」のように思える。
でも現実的には、不安な行方を想像してしまう。

ひとつは「降格はダメ」と言われた企業のふるまい。

他の社員と同じ等級のまま、子育てしてる女性を雇用しなくてはならない。
利潤を追求する企業は、じゃあ他の社員並みに仕事をさせなくては…こう考えるよね。
そもそも等級が同じまま勤務時間分だけ下げる、って、そんなに簡単じゃない。
ノルマが月10ある仕事で、勤務時間が3/4になるなら7.5ね、とはいかない。
特に周りの社員が納得してくれないとうまくいかない。

だから現実的には、時短勤務の人は産前より負荷軽めの仕事してる人が多いのではと思う。
それでも、子どもが病気で休まざるを得なかったり、勤務時間が短いことで周りと連携がうまくいかなかったりする。
父親や祖父母がかなり支援してくれるような人でなければ、決して楽ではない。
だって、退社後、育児と家事という重労働が待ってるんだもん。当たり前。

そこを「等級は下げないでやるから他の社員並みに働け」と言われるようになる。

もうひとつの不安は「降格されずに働くことが当たり前」を強いられること。

仕事熱心で能力が高い人には歓迎すべきことだろうけど、そういう人ばっかりじゃないでしょ。

私は「子ども生まれたらあとはパートでゆるく働いてね」という考えはまっぴら御免。
でも「子どもが小さいうちも産前同様に働いてね」も違う。
子どもが小さいうちは負荷を軽くしてもらって、子どもに手がかからなくなってきたら、またしっかり働きたい。

あくまで個人的な指標でしかないけど、20代後半、深夜残業でタクシー帰宅が続いていた頃より、育児の方がずっとずっとハード。
産前と同じように働けっていうのは、産前の2.5倍働けって言われているのと同じ。
無理。
だから仕事を軽くしてほしい。そのためなら私は一旦降格でかまわない。

こういう人も、そこそこいると思うんだけどな。

最悪なのは、「降格しないんだから」と産前同様の負荷の仕事を背負わされ、耐えられなくなって数年で辞めてしまうこと。
ま、私なんですけどね。

ただどっちにしろ、等級通りの負荷にしてくれないと意味がない。
結局、降格しているのに、前と同じ負荷を押し付けられてる人も多そうだし、そういう人は反論しやすくなったかもしれません。

ああ、さっき「最悪なのは」と書いたけど、もっと最悪があるなあ。


子どもがいても降格しちゃダメとか、ワーキングマザーめんどくさい
→その予備軍の女性社員めんどくさい
→じゃあ採用するとき以下略

話が発散するので長くは語りませんが、この手の問題は企業だけで吸収するのはもう限界があると思う。将来のホープになりうるから、という不確かな利益では、安定した企業以外女性の活用なんてできないよ。
国の問題なんだから、もう少し国がやろうよ!

珍しく時事ネタでした。

 

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*1:この制度自体はいろいろいびつではあるけどね